などと考えてるうちにどうも俺と右横の子の汁なし担々麺が同時に出来上がりそうな感じだ。
彼は紙エプロンを付け始めた。
自分も真似をして付ける。
よく考えたら自動販売機からここまでの全ての所作が彼の真似。俺はこいつの弟か。
うわ~・・これマジで辛そうやなあ・・
まあ辛いのには強いけどなあ、あまり辛すぎると旨みが感じられなくなるというデメリットもあるからな。
で俺と左横の子のあいだにある箸入れからプラスティックの箸を取り出す。
この時にまで左の子は俺に「すみません」と謝る。いや俺がすみませんと言うべきなんだがなんと良い子なんだろう。
俺に万が一の事があったら遺産を譲りたい位である。
さていざ混ぜようとするとこの麺がかなりボリュームたっぷりで重量がある上にツルツルしてプラスティックの箸だと滑って上手く持ち上がらない。
まぜそば検定2級所持者なのに結構手こずってしまった。
では頂きます。
「あ・・・これは・・結構・・・辛い・・」
舐めてた・・これはかなり辛い。
天六の「麻拉麺 揚揚」で食べた
「麻x4辣x4」にほぼ匹敵する位。あれよりほんの気持ちだけマシ位の辛さレベル。
その時に起こった摩訶不思議超常現象である「水を飲むとピーナッツバターの味がする」という症状が再現したのだ。
やはり人間の舌は辛さで麻痺すると水をピーナッツバターのように感じるのだ。
炒ったカシューナッツはアクセントになって面白いのだがひき肉とタレの旨みよりもこの赤い粉の唐辛子の辛さが圧倒的に優勢。
ヘビメタのギターのバックで繊細なバイオリンが鳴ってるといった感じか。
予め注文しておいた〆ご飯である。
通は食後に口頭で注文するみたいだ。
300gと言われる多めの麺を食べきってここからご飯を投入である。
不思議な事に白ご飯だと辛さがかなりトーンダウンするのである。
自分がこの辛さに慣れたからとかではない。
この直前までは激辛だったのだ。
でやっと旨み成分がはっきりと感じられるようになった。
「うわ~めっちゃ旨いやん~」
え?今頃?
ところで左の俺の遺産相続人の食べるラーメンがなんとも美味そうなのである。
もう匂いからして美味いのがわかる。
しかし流石に今の俺には300g食べた直後に追加で食べる胃袋の強さはない。
そもそも2杯食べるならラーメンの方を先に食べないとあかんやろ。
とそんな感じで念願のえにし初回訪問が終了した。
やっぱりラーメン食べんとなあ。
次は電車で来ます。