大阪は元々ラーメン不毛地帯だった。
うどん文化の大阪にはロクなラーメン屋がないと関東の人間にずっとバカにされる時代が長く続いた。
だから大阪のラーメン好きな人は皆東京までわざわざラーメンを食べに行ったものだった。
同じ関西の中でも京都・和歌山そして奈良にさえ負けていた。
だが2000年代になってようやくポツポツと東京で学んだノウハウを元にそれなりのクオリティで提供する個人店が出てきた。
さて2017年の現時点において最先端のトレンドではまだ東京に2~3年のビハインドがあるものの、クオリティそのものは十分対抗できる水準に追いついたと思う。
今、大阪では毎月大量のラーメン店がOPENしている。
そしてそのほとんどが半年程で閉店する。
そもそも何故こんなにラーメン屋が数多く出店できるのか?
そこには「業務用スープ」と「製麺メーカー」の存在がある。
醤油、塩、味噌、豚骨、鶏白湯、魚介・・どんなスープでも自由自在にそのお店ごとに成分を組み合わせてオリジナルのスープを開発し提供する。
だから店で何時間も高いガス代金を払ってスープを取る必要がない。
そこにはスキルも必要ない。
別に修行しなくてもバイトでもすぐに作れる即席ラーメン。
勿論前述のように色んな成分を組み合わせてカスタマイズしてるので素人にはそれが店で炊いたスープか工場で作られたスープかなんて判別できない。
麺も顧客の要望に応じて様々な種類のものが自由自在に作れる。
だからスープも麺も業者に任せればあっと言う間にラーメン屋がOPENできてしまうのだ。
当然オペレーションは別にラーメンに命を懸けてる訳でもなんでもない素人のバイトが行う。
気持ちも思いも魂も込められていない、だけどそこそこのレベルを確保したラーメンの出来上がりだ。
そのような状況を知っている事もあり私はラーメンに限らず「個人店」が好きである。
どんなジャンルでもチェーン店は極力避けるようにしている。
ラーメン店の場合は店主がちゃんと有名店で修業していれば安心できる。
勿論自分の店でスープは炊いて欲しい。
現在、この個人店もヒットすればどんどんチェーン展開するというのが今や常識化しつつある。
一番手堅く客に対しても誠実なパターンは最初の店で店主が2番手を育てる。
そしてその2番手に任せられる目途がついたらその1号店を2番手に任せて自分は2号店に専念する。
そしてそこでも2番手を育てて自分は3号店・・というのが一番クオリティを保ったまま拡張できる方式だろう。
だがこの業界は割と「自分の店を持ちたい!」という人も多いので結局は独立という形になって弟子がどんどん別の名前で活躍していくというのが今の大阪の個人店の実態である。
以下は私の好きな店の源流を辿った系図である。
きんせい出身
–ラーメン人生JET–桐麺
-JUNK STORY-らーめん香澄
麺や輝/天四郎出身
–つけ麺 井手
–麺FACTORY JAWS
–麺一盃
–みつ星製麺所–大杉製麺
総大醤-塩元帥
玉五郎-紋次郎-ラーメン小僧
*↑リンクをクリックで動画が見れます。
*「つけ麺 井手」は別ブランドの「つけ麺専門 まつ浦」(閉店済)のものとなりますが同じものです。
*玉五郎は訪問済ですが映像なし。
見て頂ければわかるように私の好きな大阪のラーメン店の大部分は「きんせい」か「麺や輝」で修業した経験を持つ人による店もしくは弟子の弟子=孫弟子の店と言う事です。
「桐麺」や「らーめん香澄」は「きんせい」から見れば孫弟子という間柄になります。
さて今日の前置きは以上です。
そのらーめん香澄の3号店は別ブランドの「とりそばモリゾー」となって登場。
場所は肥後橋、恐らく3店舗の中で一番人口が多いところではないでしょうか?
行列のできるハンバーグ屋「グリルピエロ」の真ん前です。
土曜の11:37頃到着。
前のピエロは外待ち5~6人でしょうか。
こちらは外待ちなし。
中を覗くも先客は一人だけ。
最近は客がいなさすぎると一瞬腰が引けてしまいます。
私はらーめん香澄阿波座本店の煮干まぜそばを食べて衝撃を受けてそれからめっちゃリピートしました。